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桜色の日々

カコバナ
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不思議なしかも納得できない事

一番最初に就職した会社を退職したあと、
自分がなりたい職業はなんだったかな、と
少し、がんばってみようかな、と
職探しを始めた。

もちろん高卒なので、たいしていい就職口はない。
私が望んでいるのは出版社だった。

どんな出版社でもいい、編集者になろうなんてぜいたくも言わない。
ただ、そういうクリエイティブな仕事に立ち会ってみたかったのだ。

そして見つけた一件の会社。
まだ20歳の私は、そこがどういう会社であるのか、書類上だけではまったくわからなかった。
とにかく新聞の出版だということだけわかっていた。

他に探してもなかなか見つけられないので、とりあえずここに就職し、がんばってみようかな、と思った。

さて、あれは渋谷だったか、どこだったか、もう場所も忘れてしまったが、割と都内の真ん中にあり、周りはセンス溢れる都会の街だった。
けれど、行ったところは、なんとなく淋しいうらぶれたビルで、
その一室に事務所はあった。

「学術出版社」と書かれていた。
たぶん、もうないと思うので名前を出しても平気だ。
出してる新聞は「学術新聞」小さなサイズの8面くらいの新聞だった。

内容は@@)私などにはさっぱりわからない記事ばかり。
要するに、学術というくらいだから、大学の先生、病院の先生、学者、などが購買層だったらしい。

記事もわからなければ、ここの人たちが何をしているのかもさっぱりわからなかった。
みんな何をしてるんだろう・・・。

社長は?社長は、面接のあと、数回顔をみただけで、全然出社してこない。
聞けば「うちの社長はここは趣味で経営してるのよ」と言う。

私には趣味で会社をするという意味もさっぱりわからなかった。

そして私に与えられた仕事は、その新聞の宛名書きをし、郵便局に持っていく事だった。
それ自体は別にイヤではなかったが、毎日毎日同じ事をさせられた。

それに納得いかなかったのは、宛名が名簿があるわけでなく、電話帳を見て書かされることだった。

今、考えればよくわかる。
そういうふうに無作為に送りつけて、あとで請求書を送るというやつだ。
しかし、その頃は誰に聞けるわけでもなく、もくもくと言われるがままの仕事をこなしていた。


そのうち、だんだんフラストレーションが溜まってきた。
これは・・このままでは困ったことになるかもしれない・・。

優しい先輩だったのだ、二人の先輩が私をお昼に誘ってくれた。喫茶店に行き、ランチを食べながら話しを聞いた。

「あなた、この会社、何か変だと思うでしょ?」
「求人票にはボーナスもあるって書いてあったでしょ、でも出たことないのよ。」
(それは困る・・・)
「ここにいてもろくなことにならないわよ。」
「私たちも来月やめるつもりなの。」
(えええ~っ@@)
「悪いこと言わないからやめなさい。」
(えええ~っそうなの?@@)

私に選択の余地はなかった、好意の忠告をきかないわけにはいかない。

すぐに翌日から行くことをやめ、会社には電話し、
「すみません、退職します。」と告げた。

驚いたことに長くいたような気がしたが、一週間しか経ってなかった。
優しい先輩社員のおかげで一週間分の給料もきっちりいただくことができた。
これだけは嬉しかった。

就職だったが、バイトと同じだ。たぶんまだ社会保険も入ってなかったと思う。

このたった一週間の経験は私にいろいろなことを教えてくれた。

社会は甘くない。
甘くないけれど、利口になれる。
私はこうやってどんどん利口になるんだ、と思った。
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