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桜色の日々

カコバナ

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バイトで勉強したこと

喫茶店のバイトでは随分男性客と仲良くなった。

ひとりで来る人が多く、多くは個人経営のお店や会社の経営者だった。
平日の昼間に来るのだから、当然そういう人たちだ。
しかし、時代だ。

いくら個人経営といっても、のほほんと昼間からコーヒー飲んでだべっていくのだから、
どんなにみんなあくせくしてなかったか、わかる。

喫茶店が今、なくなってしまったのも、
サラリーマンや商売をしている人たちの心が、長い間の不景気ですさんでしまったからだと思う。

今はカフェが大流行だが、あの頃の喫茶店には、そこそこのオリジナルメニューがあり、コーヒーも淹れ方で随分味が違い、
コーヒー通が、通を誇っていろいろな喫茶店に通い自慢話に花を咲かせたものだった。

そこは、社交場でもあった。
若き経営者や二代目の交流の場であったのだ。
今も、その時コーヒーを飲みにきていた仲間が、立派に社長をやっているのを見ることができる。
しっかりと地に足をつけて経営してこれたのも、
こういう場を上手に利用していたからだと思う。

アルコールもあった。グラスビールを出していたからだ。
ほとんど飲む人はいなかったが、時々いると、
昼間から飲むなんて~と珍しかった。

私はスナックの手伝いもしたことがある。
そこはもう会社勤めをしていたとき、友達がスナックを開店したので
オープンのときだけ手伝いにいったのだ。

仕事は喫茶店とさほど変わりはない。
出すのがアルコールかコーヒーかの違いだけ。
昔のスナックはコーヒーも出すところが多かったので、
締めはコーヒーなんて人も多かった。

洗い物だけは得意だったので、カウンターの中でひたすらグラス洗いとかちわり氷を作ることだけやっていた。
酔っ払いの相手をするのは好きじゃなかったので、
それは友達に任せて、もくもくと働いていた。
それでも人間観察は面白かったし、
スナックのバイトはそれなりに社会勉強に役に立った。

接客業は人付き合いの勉強になる、それを身を持って体験できたのはとても自分の為になったなあとつくづく思っている。



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【弱い女】

まだ5歳くらいの男の子を連れた若い女が
私の部屋にいて、テレビを見ていた。

「やっぱりTVはおもしろいわねー。ねえ、見て見て。」
と女は誰に言うでもなく一人ではしゃいでいた。

「誰なんだ・・、この女、そして何故私の部屋にいる、
私の部屋にTVはなかったのに、何故あるんだ。」
私は思いながら、
「私はテレビは嫌い!」
と一言だけ口にした。

女は困ったような顔をこちらに向けたが、
私より数段若く、まだあどけなさが残る顔立ちだった。

私には恋人がおり、どうやら、その恋人が連れてきた女らしかった。

何故、私のところへ来たのか?
その疑問は解けないまま、私たちは一緒にいることになった。

子供はとてもかわいらしく、マルコメみそのCMぼうやのような頭をしており、賢そうだった。
私はひとめでその子が気に入ったが、
恋敵の子供ということで、素直にかわいがってやれずもどかしい思いをしていた。

そして恋人が現れた。
何もしやべろうとせず、ただにこにこと私たちを見ている。
彼女も、私と同じように私に負けないくらいその恋人が好きだったのだろう。
こういう状況に文句を言うこともなく、彼に気を使っていた。

私はよく考えた、この女は身寄りがないのだろう、行くところがないのかもしれない、
彼は困って私のところへ連れてきた、
私ならなんとかしてくれると思ったのだろう、
けれど、安っぽい言葉で私をだましたりしても、
私はすぐに見抜くだろうし、
ここは黙って、流れにまかせるしかないと判断したのだろうか。

いつもの男のずるい考え方だった。
そして、それを許してしまう、私の「惚れた弱み」だった。

女は彼に100%頼ってるというふうでもなかった。
自分の立場をよくわきまえ、私に気を使い、
お姉さんが彼の恋人です。私は・・・その次です。
そう無言で言っているような態度だった。

それをされている限り、ほんの少し私には安堵があった、
けれど、それで嫉妬の炎が収まるわけでもなく、
ゆらゆらと種火のようにくすぶる炎を身の内に感じていた。

そして私が何か言おうとすると、決まって彼は、私を抱きすくめ、
床に押し倒してきた。
「何するの・・」
無言。彼は何もしゃべらない。

ああ、こういう男なのね・・・、
わかってはいたけれど、悲しい。

「何故、あなたは一人の人だけを愛せないの?」
そう私は聞いた。

わかっていた、わかってはいたのだ。
彼が本当に愛しているのは私ひとり。
けれど、弱った人、困った人をみれば拾ってきてしまうのだ。
彼女は子連れで、息子とふたり頑張って生活していたのだろう、
そこに彼と知り合ってしまい、
恋する女は、途端に心のバランスを失ってしまうのだ。

そんなことは自分が経験済み、よくわかっている。
心のバランスを失ったあとは、
ただ男の言うとおりに、「ついていきたい!」と切なく想うものなのだ。

子供とふたりで力強く生きていこう、といつかの日に決心したばかりなのに、
彼と出会ってしまったために、
弱いか弱い女になり、私の気持ちを窺いながら
なんてかわいそうな女になりはてたか。

私は強い同情を、そして同じ想いをしてきたものとして、
私も又、女を見捨てることができなくなっていた。



【完全フィクションです】

バイトで知り合った人々

何ヶ月かバイトを続けた中で、
知り合ったメンバー。

バイト仲間には同級生もいた(男性)
そこでなんとカップルが2組も誕生した。
ただの恋人同士ではない、
結婚しちゃったのだ。

仲をとりもったりもした。
若いからいろいろあって、
ケンカだとか、お互いの過去だとか。

一組の夫婦は絵に描いたような美男美女カップルで、
そのバイトで培った飲食業のノウハウを生かして
ショットバーのようなお店を始めた。

もう一組は同級生と、特に私と仲の良かった女性とのカップルだった。
ここはできちゃった婚で、
結婚式はつわりの真っ最中でとてもかわいそうだった、

ほんとにいろいろある。
でも、このバイトは、マスターがおらずバイトだけでまわしていたので
結束力が強かったのだ。
メニューでも技術を要するものは、マスターのお墨付きをもらわないと作れなかった。
当然、作れる人がリーダー格になり、尊敬された。

そういうことで若いときは勘違いして好きになるものなのだ。(笑)
何故こういうことを言うかというと、
この2組は今は離婚してしまっているからだ。

一番リーダー格だった男性は優しくてかっこよくて性格もとてもよかったのだが、
どうしても浮気癖がなくならなかった。
娘が生まれて幸せな日々だったと思うのに、
いつのまにか、彼はいなくなり、
風の噂では借金でひどい生活をしているとか、親兄弟にも見放されたとか
そういう話しを聞いたきりになってしまった。

奥さんのほうは娘と一緒に力強く生きている。

もう一組はよくある嫁姑の関係でつまづいてしまい、
奥さんは保険外交を始めたが交遊のために借金を重ね、
とうとう別れさせられてしまった。
だんなはその時の奥さんの借金を最近まで払い続けいていた。

奥さんはどこへいったやら、今となっては消息がわからない。
再婚して幸せにやっているのかどうか。
こちらは子供がふたりいて、だんなが引き取っている。

私はといえば、結婚を約束した恋人と、遠くはなれてくらしてはいたが、
まったくどんな男性にも心を動かされることなく、
まわりのどたばた恋愛劇を傍観しているだけだった。





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